市場人にとってこの魚を見ると、なぜか『ほっと』させられるんです。
名前のせいなの?
みんな『オジサン』『オジサン』と親しみを込めて呼んでいる魚を今日はご紹介します。
鮮魚課北海チームのセリ場で長崎産、同じ鮮魚課近海チームのセリ場には東京都小笠原諸島から入荷していました。
しかし同じ『オジサン』だと思っていたら、ちょっと長崎産と小笠原諸島のオジサン違うみたい。
某有名な市場魚貝類図鑑のサイトで確認してみると、目の前にいる魚は『オジサン』じゃないみたい。
『オジサン』とは別人ではなく別魚。
長崎県のオジサンはホウライヒメジで、小笠原諸島のオジサンはオキナヒメジのように思われます。
両者の違いは尾鰭の近くにある斑紋の位置です。
オキナヒメジは、斑紋が側線を超えないのと尾鰭に黄色い柄があること。
ホウライヒメジは、同じところにある斑紋が側線を越え、尾鰭には目だった柄がない点です。
オジサンもオキナヒメジ、ホウライヒメジも生物分類上は、同じスズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属の魚なので、出荷地では3種に大きな区別なく取り扱われているようです。
ちなみに上がオキナヒメジで、下がホウライヒメジです。
まだ食べたことのないので詳細なコメントができませんが、どうやら白身でクセの無い味わいは和洋を問わず使える魚だそうです。
まだまだ知らないことばかり、鮮魚の世界は奥が深い。