『其の手は桑名の焼き蛤』、誰でも知っている故事ことわざですが、そんなやり方には騙されないと言った意味です。
そんな有名なハマグリが、三重県桑名より出荷され鮮魚課小島社員のセリ場に並んでいます。
いわゆる地蛤(じはま)と呼ばれる純国産のハマグリで、貝殻全体に艶と厚みがあり、小さそうに見える粒でもズシリと重さを感じます。
魚であれば直接見て触って目利きをすれば良いですが、さすがに貝類はいちいち剥いて確認は出来ないですよね(笑)。
ちょっと前に特種課の岡社員と話した時に、以前に比べでハマグリが売れなくなったこと。そして、雛祭りにハマグリのお吸い物を飲まなくなってきたことを。
ハマグリの旬は2~4月で、まさに雛祭りの時期とちょうど重なり、昔から旧暦の3月3日雛祭り(現在の4月)がハマグリの食べ納めと言われてきたそうです。
なぜ雛祭りにハマグリなんでしょうか?
古来日本で二枚貝は、女性の象徴、姫様(女の子)を意味していました。
そしてハマグリは貝殻を1枚ずつに外すと、他のハマグリの貝殻とピッタリ合わないんです。
そんなことから、『一生、一人の人に添い遂げる』という意味を持っているそうです。
女の子の節句・雛祭りに、ハマグリのお吸い物が出てくるのは、『良い相手と巡り合いますように』と言う親の願いが込められていたのです。
ちょっと古臭いと感じるかもしれませんが、日本の歳時記に関わっている水産物。
いわれを知って行くことで、魚食普及に繋がればと思います。
雛祭りには、ハマグリを是非ご用意下さい。