マダイが全国各所から入荷し、セリ場に並んでいます。
満開に咲いた桜を連想させる鮮やかなピンク色です。
しかし仲買人は、魚の状態をいつもより真剣に目利きしています。
と言うのも、この時期マダイの産卵時期に重なるためだと思います。
マダイの産卵時期はかなり場所によって異なるんでが、南は九州から始まり黒潮に乗って北上して行きます。
鹿児島県では1月下旬から3月、4月。瀬戸内海で5月、山形県や青森県では5月下旬から6月上旬が目安のようです。
どんな動物でも抱卵、人間の妊娠も同様ですが、卵や子供に親の体内に蓄えた栄養分が取られてしまいます。
当然のことですが、魚の味は確実に落ちてしまい、魚の価値は下がっています。
腹の中を捌いて確認するのが一番確実な方法ですが、絶対にありえないことです。
ですから仲買人は、当社の担当者から様々な情報を得て仕入れるのか否かの判断を下します。
例えば、出荷先や魚の外見(腹膨らみや緩み具合)、直接触っての確認、そして今までの経験などをもとに一瞬で決めて行くんです。
さすが、プロの技。
今度、目利きのポイント、特に触ったニュアンスについて聞いてみたいと思います。