う~ん、今年は高くて買うの諦めました。
何のこと?
水産卸の社員なのに、こんな弱気でどうすると叱られそうですが、これが実態だと思っています。
ここで主語を明らかにしますが、先ずは「生筋子」、
そして「蟹」です。
ここ数年イクラの醬油漬けを作って来ましたが、キロ当り1万円近くでは全然手が出ません。
何故高いのか?
鮭の記録的な不漁が原因です。
いわゆる「元も子もない」、親のサケが不漁だと子の筋子も当然ありません。
蛇足になりますが、原料の生筋子が高騰すれば、製品の価格が高くなるのも仕方がないことです。
今年は残念ですけど、自家製イクラ醤油漬けはお休みです。
そして「蟹」、石川県のブランドガニ「輝」が、初競りで500万円で取引されたと景気の良い話が舞い込んで来ました。
ズワイガニ漁については11月6日から漁が解禁したので、これからの水揚げ状況が楽しみでもあります。
しかしズワイガニの双璧・ライバルのタラバガニはどうかと言うと、生筋子同様に無くて高いと言う相場状況です。
アラスカのブリストル湾におけるタラバガニ漁業が、資源保護のために2021/2022年は閉鎖すると9月に発表され、実行されたからです。
無ければ食べなければ良い?これが正解です。
でも逆に無ければ余計に欲しがるのも人の性、いずれも正解だと思います。
しかし卸売業的にはモノを動かしてなんぼの世界なので、魚卵であろうが蟹であろうが売り物を確保するのが使命だと思います。
ただモノだけ確保するだけでは、プロとしては失格かな。
理想は「安くて良いモノ」が一番だと思うけど、売り方・買い方はお互いの理想に近づけるよう鎬を削っているのが現実です。
さて今年の年末年始のおせち商材は、見るモノ全てが高くなっていると思います。
その上で皆さんの購買意欲が、価格に追い付いてくれるか心配です。
私自身は全てを贅沢にすることは出来ないので取捨選択、家族会議でも開こうかな。