魚は神事や祭事の供物として欠かせない縁起物であり、それを年越しの際に用意するという年取り魚の風習は、今日のような物流体制が整う遥か前の時代から受け継がれてきたものです。
かつては、海沿いから離れた地域では、魚料理を口にできたのは正月ぐらいのものであったそうです。
年取り魚としては、東日本はサケ、西日本はブリが多く使われています。
さてサケとブリを分ける東西の境界線は何処なのか?
キチンと調べる人がいるんですね、この境界線なんですかフォッサマグマを形成する糸魚川静岡構造線にほゞほゞ一致するそうです。
糸魚川静岡構造線上に位置する長野県では県を東西に2分 し、東側の長野市がサケ、西側の松本市ではブリと混在しているそうです。
サケは「栄える」、ブリは出世魚と共に縁起のイイものとして知られています。
ひみ寒ブリを年取り魚として、地元富山県ではその年に娘を嫁に出した家ではブリを丸ごと1本購入して、嫁ぎ先にお歳暮として贈る「嫁ブリの風習」が今でも続いています。
当然送られてくるのは、青い発泡に入った「ひみ寒ぶり」でしょうね。
因みに、仲卸店舗でひみ寒ぶり(8㌔から10㌔)1匹購入するには、最低でも福沢諭吉は4人は集めないと難しいかもしれませんね。