土用と言う言葉を聞いたら何を連想するでしょうか。私達日本人は、丑の日、うなぎ、夏といったものを思い浮かべるのが一般的です。
その中でもうなぎは特別な存在です。しかし、今日はあえてうなぎをはずして、シジミの話をしたいと思います。
シジミには旬が冬と夏の2回あるんです。寒シジミと土用シジミ。夏の土用にはうなぎを食べて暑い夏を乗り切る的な考え方があります。しかし”土用シジミは腹ぐすり”という言い伝えがあり、シジミも夏バテに役立つと昔から言われています。
小さな粒の貝ですが、タンパク質は豊富で、カルシウムや鉄、マグネシウムなどミネラルが豊富です。
暑い時期は汗とともに消失してしまうミネラルの補給食材としてシジミは有効なんです。貝類で一番面倒なのは、砂抜きだと筆者は思っています。
あさりにしてもしじみにしても食べた瞬間にジャリッとしたら最悪ですよね。このような事に遭遇しないために丁寧に砂抜きをします。
「ポイントは塩水で砂抜きを行うこと」真水で砂抜きをするとせっかくのシジミの旨味成分(コハク酸、アラニン、グルタミン酸など)が逃げてしまいます。
これは浸透圧により発生する事象です。ヤマトシジミは島根県の宍道湖、青森県のナシ湖、千葉県の利根川河口などの海水と淡水が混ざった汽水域に生息します。
宍道湖の場合、水域によって塩分濃度は異なりますが、概ね0.3~0.5%ぐらいです。
しじみが生息している環境より少し濃い1.0%ぐらい塩水に漬けると、しじみが体内の浸透圧を塩水の浸透圧と同じにするためにグリコーゲンなどを分解してアラニン、コハク酸などを合成するため旨味が増すそうです。是非参考にしてくださいね。