小笠原から巨大なお客様が来場。前回に続き51.4キロのマハタです。このサイズになると、マグロを輸送する際に使うトロ箱か発泡スチロールになります。
マハタは大きいものほど味がよく、10キロを超えるものは貴重です。年間を通して味の落ちない魚で、見た目と違い透明感のある白身で旨味、甘味のある味わい深い魚です。
筆者のような素人は、巨大な魚が入荷したら、仲卸間で引く手あまたさぞかし高価で取引されるんだろうと考えますが、そんな夢話はほとんどないのが現実です。
皆さん、歩留まり(歩止まり)と言うwordをご存じですか。製造など生産全般において、「素材の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産量比率」のことで、魚で簡単に例えてしまうと、1匹の魚の可食部がどれだけあるのかと言うこと。
仲卸のプロの目利きは、魚の良し悪しだけでなく、1匹の魚からどれだけ商売に使える部分があるのか、経験値で判断して買うのか否か、値段はいくらにするのか、瞬時に判断しています。
頭が魚体の割合で大きい魚はどうしても可食部は少なくなってしまいます。
今回のマハタも頭が大きく、捌く際の包丁の入れ方次第でかなり可食部が変わりそうです。
ハタ類は、アラや骨から旨い出汁が出るから上手く使えば良いのではと素人の意見を言うと、頭一つ捌くのもこのサイズだと一苦労だよと納得の回答を頂きました。
理想と現実には、大きな壁があるんだなと感心しました。
エンドユーザーからの注文があって高値で取引されることを祈るだけです。何と言っても価格は需要と供給で決まるものですから。