皆さんは海鼠のことをどれくらい知ってますか?筆者は正直、海鼠のど素人です。
今日出荷されて来たのは、愛知県知多郡南知多町にある篠島(しのじま)からです。実は篠島の赤海鼠は、知る人ぞ知る名産品だそうです。
見るからに軟体動物そのもの、グロテスクな容姿は、誰にでも受け入れられる存在ではありません。
かの文豪、夏目漱石は著書「吾輩は猫である』の中で、はじめて海鼠を食べた人の勇気や精神力には敬服するべきだと書かれています。
海鼠と日本人との関わりは深く、約1,300年前の編纂された日本最古の歴史書「古事記」の中に、「海鼠」と言う表記で記述があるそうです。
当時は海鼠と書いて「コ」と読んでいたそうで、現代の呼び名である「なまこ」とは「生のコ」と言う意味だったようです。
江戸時代には食材図鑑にも登場し、乾燥した海鼠を摩り下ろして漢方薬にしたほか、中国に盛んに輸出されていたそうです。
和歌やことわざの題材にも使われ、俳句の世界では冬の季語として、松尾芭蕉など歌人の歌が数多く残されています。
花のように開いてキレイなのが触手で、反対側がお尻に相当するのか排泄膣があります。
海鼠はとても穏やかな性格で、のんびりやさんです。
棲みかは岩礁や海中の砂地。海底をゆっくり散歩しながらエサとなる有機物を食べて、大きく成長します。約3年で体長10~15センチほどになるそうです。
人畜無害な海鼠なんですが、人が誤って踏んだりすると白いネバネバした自分の内臓を吹きだして防御するんです。
これが強烈な粘りで、取り除くのに一苦労。サカナの鰓などに絡みつくと、窒息死に至らしめる必殺技です。
どうですか、少しは興味を持ってもらえましたか?
今度紹介する時は、海鼠の食に関しての情報を提供したいと思います。