春告魚(はるつげうお)のニシンではなく、大羽、中羽と7つ星を光らせたマイワシが鮮魚課、特種課のセリ場に大量入荷です。
旬?と聞かれたら、産卵前である秋から冬になると思いますが、俳句の世界に「春鰯」言う季語があるように春の時期も捨てがたい存在です。
季節はずれと言えば答えは〇(マル)で、×(バツ)とも言えないない複雑な感じです。
マイワシのサカナ自体は、食べて美味しそうなサイズで脂ののりも良さそうです。
「魚」偏に「弱」で鰯(イワシ)という漢字が当てられるようになったのは、水揚げの際にウロコが落ちやすく、外圧にも弱く直ぐに死んでしまうほど弱いサカナというところから来ているそうです。その他大量に獲れて鮮度低下の早い魚というところから、下賤な魚、つまり「賤しい」から転じた呼び名という説もあります。
良~くイワシを見てみると、ほとんどウロコが付いていない様に見えますが、キチンとウロコはありますよ。
今年の立春は2月4日(土)、その前日の2月3日節分の宵には「鬼は外、福は内」と呼びながら豆を撒きますが、鬼を払う意味で柊(ひいらぎ)の小枝にイワシの頭を刺して門口に立てる風習を知っている人や実際にこの風習を行っているご家庭はわずかになっていると思います。
「イワシの頭も信心から」や「イワシも七度洗えばタイの味」など庶民の身近にあった大衆魚のマイワシ。
最近は漁獲量が年々減少傾向にあり勝手に「脱大衆魚化」してますが、古くから日本人の馴染の深いサカナいつまでも大衆魚でいて欲しいですね。