今、クルマエビ類で市場に出回っている量が多いのがブラックタイガー(BT)とバナメイエビです。
バナメイエビが開発される以前は、圧倒的な市場シェアを誇るBTでしたが、近年は分が悪いようです。
BTは、正式名ウシエビと呼ばれ、クルマエビの仲間です。
東京湾以南の太平洋側、東南アジア、オーストラリア、アフリカにも棲息するそうですが、市場に出回っているもので天然物は残念ながらほとんど見かけることができないようです。
BTは、クルマエビに比べると生の状態では黒っぽいが、熱を通すと一様に薄紅色になります。
写真のブラックタイガーは養殖ものですが、色の細工、写真に手を入れてませんよ。しかし薄紅色どころか、朱色が鮮やかです。
エビ職人の工藤社員の話では、殻が黒ければ黒いほど熱を入れると朱色が強くなるそうです。自然界でこんな色を出せるなんて素晴らしいですね。
余談ですが、養殖する際のBTとバナメイエビとの違いなんですが、
・養殖池に投入尾数が、バナメイはBTの3~5倍多く養殖可能である。
・生育期間はBTが約4~5ヶ月、バナメイが約3~4ヶ月と若干の差がある。
・食感はBTは海老の繊維が感じられるしっかり食感、バナメイはソフトな食感。
・価格はBTが高く、バナメイは安い。
・環境適応能力はBTは弱く、バナメイは強く病気にかかりにくく丈夫だそうです。
養殖業者は、上記の差を見ればどちらに資力を集中するのか明らかですね。