茅渟海のクロダイ。

大阪湾いや、茅渟海からクロダイが大量に入荷してきています。茅渟の海の茅渟とは、関西以西で黒鯛のことを言います。

現在の大阪府南部は、記紀の成立以前、木国(きのくに=後に紀国)と呼ばれていたが、後にそこから分かれて和泉国(いずみのくに)が置かれている。

その和泉国成立以前から茅渟と呼ばれていた地域が存在し、古代より和泉国と淡路国の間の海を茅渟の海(後に和泉灘)と言われていたようです。

語源については記紀では神武天皇の日向より大和に東征の時に兄の五瀬の命が傷を負ってこの地で洗った事に由来し、血沼(ちぬ)の海とするとしています。

ところで茅渟の語についての当て字が実に多く存在します。

茅渟、血沼、血渟、智怒、智努、千沼、千渟等・・・・などなど。

そして肝心のクロダイですが、茅渟の海に多くいた魚が偶々クロダイであったので、関西以西ではクロダイを茅渟(チヌ)と呼んでいるのが定説化してます。

今の時期平塚市漁協からの追っ駆けでも入荷しますが、産卵期にあたる春から初夏は、味が落ちてしまうので少し敬遠気味です。

そんな時は極力背ビレを見て、身の厚い魚を選んでください。そして自分の目利きと魚屋さん、仲卸と会話することで美味しい情報をゲットできますよ。

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