珍しい状態で富岡より活けのサカナが入荷しました。オニオコゼです。何が珍しいって見るも無残、棘のある背鰭と尻鰭が剥ぎ取られています。
魚が好きな人だったらここで敢えて話すことはないんですが、このオニオコゼの背鰭、尾鰭の棘には毒を有しているため、事前に出荷時に処理が施されているんです。
オニオコゼの毒腺のある棘に刺されると即座に激痛に襲われ半日から1日中のたうち回ることになります。患部は熱を持ち赤くもしくは紫色に変色し腫れます。重症になると呼吸困難や心臓衰弱まで起きる可能性もあるそうです。
名前の由来ともなっている外見が鬼のように酷く奇妙な風貌で誰も相手にされないのかと思ったら、市場での評価も高い超高級魚です。(可食部が少ないので余計です)
虎穴に入らずんば虎子を得ず、危ない橋も一度は渡れの諺のように、危険を避けていては大きな成功も有り得ないこと。誰が一番最初にオニオコゼを食べたんでしょうかね。
年間を通じて入荷されるオニオコゼ、味は絶品。白身はコリコリとした歯ごたえと旨味があり、皮もゼラチン質たっぷりで夏に美味しいフグと同列に賞されています。
小さめのものは唐揚げやアラ汁に入れると良い出汁を味わえるんです。筆者的には一度飼ってみたい可愛い愛嬌のあるサカナです。