古くより惣菜、おせちなどで、日本の生活に欠かせない魚、ニシン。
今日は、ニシンと黄色いダイヤ数の子を紹介します。
鰊は、ニシン科ニシン属の魚で、イワシとは非常に近い間柄です。(ちなみにイワシはニシン科イワシ属)
ニシンの語源は、身を2つに裂いて食用にすることから、「二身」の説が有力で、その他2つに身を割ることから、「妊娠」を語源とする説もあります。
国内で獲れるニシンのほとんどが北海道産(今日入荷しているのは厚岸)ですが、加工品に使われている原料は、ほとんどがアメリカ、ロシア、ノルウェーなど輸入に頼っているようです。
かつては、大群をなして北海道の沿岸にニシンは押し寄せていたそうですが、乱獲により近年はその数が激減しているそうです。
数の子は漢字で書くと鯑、ニシンの魚卵です。ちなみにスケトウダラの卵がタラコで、鮭の卵が生筋子(イクラ)です。
数の子の語源は、「かどの子」の訛で、近世までニシンを「かど(カドイワシ)」と呼んでいたことの名残です。
価格が高く、黄金色をしていることから黄色いダイヤの別名があります。
ニシンが昆布に卵を産み付けたものを子持ち昆布と呼び、珍味としてそのまま食べたり、寿司ダネとして利用されます。
日本の市場で流通している数の子は、塩蔵数の子と味付け数の子に分類され、一般には前者の方が高級なものとして取扱われています。
意外と知らない人が多いのが、塩蔵数の子は、そのまま食べるのではなく塩抜きすることと、薄皮をキチンと取り除くことです。
塩抜き、味付けも様々な方法がクックパッドで紹介されています。
食通で知られる北大路魯山人は、「数の子は音を食うもの」とも言っています。イクラ、タラコと言った他の魚卵と比較すると硬いことから、味のほか歯応えや、咀嚼時のプチプチとした音も楽しめますよ。
数の子にはコレステロールが含まれていますが、そのコレステロールを消し去るだけのEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれており、総体のコレステロール値が減少する結果も出ています。
また、痛風の原因となるプリン体は、ごくわずかしか含まれていません。
生のニシンは脂が乗って美味しそう、数の子も様々な用途でこの年末年始、食卓を飾って欲しいです。